ママは自分を大切にしたらいい

次男が、ぽつりと教えてくれた。

「今日ね、〇〇くんがね、

ママのこと、ちょっとかわいいって言ってたよ」

その子のお母さんは、いかにも“かわいいママ”だ。

小柄で、小顔で、若くて、派手じゃないのにおしゃれ。

そのママの子に言われたのなら、なんだか余計に嬉しい。

私は昔から、見た目のコンプレックスが強かった。

どうして私はこうなんだろう、と親を恨むような気持ちにさえなったこともある。

だから、こういう「かわいい」には、とても弱い。

簡単に有頂天になってしまいそうになる。

でも、教えてくれた次男の前でそんなに嬉しがるのも、なんだか気恥ずかしくて。

「ママなんて、ただのメガネおばさんなのにねぇ」

と、少し照れ隠しで言ってみた。

何も言わない次男に、

「そう思わない? メガネおばさん」

と、重ねて聞いたら。

次男が急に、真面目な顔になって言った。

「ママは、自分を大切にしたらいい。」

一瞬、時間が止まった。

そういえば、2週間くらい前だっただろうか。

私は次男に、こんな話をしていた。

ママはずっと、自分はかわいくないって思って生きてきた。

でも、それじゃ自分がかわいそうかなって思えてきた。

だからせめて、自分だけは「私はかわいいな」って思うようにしてみてるんだ。

そのとき、次男は特に何も言わなかった。

でも、ちゃんと聞いていたんだ。

ちゃんと覚えていたんだ。

あのときの私の言葉を、今度は私に、返してくれた。

「ママは、自分を大切にしたらいい。」

この言葉は、きっと一生忘れない。

思い出すたびに、涙が出る。

次男は、面白い言葉もたくさんくれるけれど、

ときどき、こんなふうに心の芯に届く言葉を、

そっとプレゼントしてくる。

ああ、私はちゃんと、大切にされているんだな。

そう思えた日だった。

               ✤次男語録 番外編

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