次男よ、読むか読まないか、それが問題だ。

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世界名作ファンタジー60冊が、家にそろった理由

次男と、世界名作ファンタジー60冊セットの話
うちで「本のセットを全巻そろえた」
初めてのシリーズがある。
世界名作ファンタジー。60冊セット。
どうしてこれが、今、わが家にそろったのか。
それは次男の読書の話と、私の不安の話でもある。
次男は7歳、小学1年生。
多動傾向があり、支援も受けている。
長男がそうだったように、
「小学生になったら、自然に本を読むようになる」
私は次男にも、同じように期待していた。

絵本をたくさん読む育児をしてきたつもりだった

そもそも私は、
「子どもができたら、たくさん絵本を読んであげたい」
そう思ってきたのだ。
長男がお腹にいた頃から、
おへそから赤ちゃんに声が届く、という設定で、
絵本を見せながら読み聞かせをしていた。
今思うと、
はたから見たら少し滑稽だったかもしれない。
でも、そういうことにしていた。
夫も、その設定に付き合ってくれた。
そんなふうに、
なるべくたくさん絵本を読む育児をしてきた。

長男のときは、こうだった

長男は、特別な読書好きにはならなかったけれど、
小学生になると、寝る前に一行ずつ交代で読む習慣ができた。
一年生の推薦図書、
かいけつゾロリ、忍たま乱太郎。
図書館で借りてきては、当時出ていた分をほとんど読んだと思う。
今は5年生。
少年向けの探偵小説を好んで読んでいる。

次男は、本を読まなかった

そして、次男が小学生になった。
長男と同じように、
簡単な本から始めて、
寝る前に一行ずつ読む。
……はずだった。
違和感は、すぐに出た。
全然、読みたがらない。
嫌がる。拒否する。
ひらがなは幼稚園で習った。
単語も、ある程度は読めていると思っていた。
なのに、
本を開こうとしない。
なぜ?
無理にさせたら、嫌いになってしまう。
今は諦めるしかない。

「読めないのかもしれない」という不安

そう思いながらも、
「もしかして、読字障害? ディスレクシア?」
不安はどんどん膨らんでいった。
支援クラスの担任の先生、
発達を診てくれている主治医の先生、
放課後デイサービスの先生。
専門の方には、ひと通り相談した。

相談しても、はっきりした答えはなかった


主治医の先生からは、
「考えられるのは3つ」と言われた。
学習障害
好き嫌い
ADHD
ADHDなら、薬で改善する可能性もある。
でも、薬には正直、抵抗があった。
心配ばかりが増えていく。
読字障害向けのトレーニング本も何冊か買った。
やってみるけれど、
効果があるのかないのかもわからないまま、続かない。
これは、かなり心配だ。

楽譜も、読まなかった


ピアノも、実は4歳から習っている。
最初の1年半は、
ドとレを弾いただけ。
先生を変えた。
そこから少しずつ進み、
両手で「きらきら星」を弾くようになった。
年長の冬。
支援クラスをどうするか悩んでいた頃、
ピアノのレッスンも、正直しんどくなってきていた。
先生の話を聞かない。
すぐ他のものに興味が移る。
注意されることが増える。
私が疲弊していた。
また、先生を変えた。
発達凸凹の子を見てくれる教室へ。
私は、やっと安心して預けられるようになった。
ただ、楽譜は読まない。
練習の進度は落ちた。
でも、楽しく通っている。
先生もかわいがってくれている。
それが何より。
……でも。
楽譜を読みたがらない。
本も読まない。
似てない?
大丈夫?
「次男、本が読めない問題」は、
私の中でどんどん深刻になっていった。

ある冬の日、突然本を開いた

そんな小学1年生も終わろうかという、冬のある日。
家にあった、
表紙の厚い、小さな名作シリーズを手に取り、
次男が何やら読んでいる。
……ん?
まさかね。
いや、もしかして。
読んでる?
まさか。
読んでる……?
涙が出た。
本当に読んでいた。
最後まで読んで、
また次の1冊を探して読み始めた。
ああ、
最初に読んだ1冊、覚えておけばよかった。
次男の、
記念すべき「最初の1冊」。
シリーズは、世界名作ファンタジー。

せきを切ったように、読み始めた

「今だ」
私はそう思った。
読んでくれるなら、今のうちに。
ブックオフに車を走らせ、
世界名作ファンタジーを10冊ほど買った。
家に持ち帰ると、
次男は嬉しそうに、次々と読む。
あっという間に5冊。
今までの心配は、何だったんだろう。
こんなに、一気に読むなんて。

60冊をそろえた日


夫にも話した。
すると夫は、
世界名作ファンタジー全60冊セットを
中古で探し始めた。
安くはなかったけれど、
そのまま注文。翌日配達。
表情には出さないけれど、
きっと夫も嬉しかったんだと思う。
完全に大人買い。
重たい段ボールが届き、
次男は喜んで開けた。
次男と二人で、
リビングのテレビ横、いちばん良い場所に並べた。
とても満足そうだった。

読まれなかった時間


……実は。
この日から、1週間以上、手つかずだった。
あれ?
あんなに読んでいたのに。
でも、急かしたら嫌いになる。
待つしかない。
私は、本のことには触れずに過ごした。
夫が意気揚々と買ってくれた60冊は、
きれいに並んだまま。
その後、
1冊読んだかな、という現実。
60冊セットが届いてから、
読んだのは、1.2冊だと思う。

彼は、彼の道を行く


両親の期待に、
簡単に応えるつもりはないらしい。
親の心、子知らず。
彼は、彼の道を行く。
きっとそれでいい。

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